サブプライム問題と世界同時株安

サブプライム問題と世界同時株安・・・・(大前研一「ニュースの視点」)より

世界的に見てもまともにこの問題のリスクを評価して対応できている国は、私が見る限り見当たりません。

米連邦準備理事会(FRB)は、1月に臨時の米連邦公開市場委員会を開き、最重要の政策金利である
フィデラルファンド(FF)金利の誘導目標を緊急に0.75%引き下げ、年3.5%とすることを賛成多数で決めました。

実施は即日という緊急対応の背景には、
サブプライムローン問題を発端とする米景気の悪化や世界同時株安に歯止めをかけるためだと言われていました。

ところが、実は、今回の世界同時株安の原因を作っていたのは、
サブプライムローン問題ではないのではないかも知れないという可能性が浮上してきました。

これは米国でさえ、サブプライムローン問題のリスク評価を
正確にできておらず、正しい対応がとれていないという一例だと言えるでしょう。


●今回の世界同時株安の本当の原因は何だったのか?

では、今回の世界同時株安の原因となる新たな可能性とは何でしょうか?

それは、このニュースです。

仏大手銀行ソシエテ・ジェネラルが49億ユーロ(約7600億円)にのぼる損害を計上した問題で仏警察当局は、同行の元トレーダーである
ジェローム・ケルビエル氏を拘束し事情聴取をしました。

同氏は2000年から同行に勤務し、ヨーロッパの株価指数先物などデリバティブ関連の取引に携わっていましたが、去年から今年のはじめにかけて不正取引を行った疑いがもたれています。

実は、今回の世界同時株安は、サブプライムローン問題ではなく、このデリバティブ取引に端を発しているのではないかという可能性が出てきたのです。

偶然、世界中がサブプライムローン問題で神経質になっているというタイミングで、このデリバティブ取引の不正が発覚したために、多くの人がその原因を誤解した可能性もあるのです。


※「ソシエテジェネラルを巡る動き」チャートを見る

1月18日:ソシエテ・ジェネラル銀行内のリスク管理部門が
     株価指数先物に関連した不正な取引を発見

1月19日:ジェローム・ケルビエン氏が不正取引を行っていたことを認める。
15億ユーロの損失が判明。ソシエテは仏中銀へ事態を報告。

1月21日:ソシエテが株式の持ち高を解消するために株の売却を開始。
アジア・欧州株全面安。米は休場。

1月22日:FRB、0.75%の緊急利下げを実施。

1月23日:仏中銀、FRBに事態を報告

1月24日:ソシエテ、49億ユーロの損失計上。55億ユーロの増資決定。
ここでのポイントは、1月22日にFRBが0.75%の緊急利下げを
行った時点では、未だ仏中銀からの報告はなく、FRBはこの
デリバティブ取引の不正事実を知らなかったということです。

そのため、サブプライムローン問題に端を発する世界同時株安という懸念を抱き、緊急利下げへと踏み切ってしまったとの見方が浮上しているのです。

21日に行われたソシエテ・ジェネラル銀行による株式の持ち高解消のための売却は、相当大きな金額だったと思います。

それを受けてのアジア・欧州市場の下落という構図が見えていれば、
FRBは今回のような緊急利下げは行わなかったのではないかと私は思います。

FRBによる緊急利下げ後買いが戻ってきている点から考えても、今回の世界同時株安の原因はサブプライムローン問題ではない可能性が高いと言えるでしょう。

なぜなら、サブプライムローン問題を原因とするならば、その解決は未だ目途は立っていませんから、今のタイミングで買いが戻ってくるとは考えづらいためです。


そもそも正しく問題を把握することすらできていないのですから、
解決手段を講じることができないのは当たり前です。

また、世界の金余りの状況下では、投資家の目に割安に映るほど株価が下落した市場にお金が流れてくる状況なのだから、株価を維持するために政府が何かをすべきではないとも考えられるのです。

大前研一「ニュースの視点」blogより
www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/800.php


@
株価指数先物取引に関与し、さらにその不正を隠すために架空取引をでっち上げるためにシステムをねつ造していたという。

A
サブプライムローンとは、住宅ローン会社が年収が不安定で信用力の低い人に融資をするローンのことです。


住宅ローンの返済方法として当初数年間は金利を低く抑えることで返済負担を軽減した変動型設計になっています。

また、保有する住宅の資産価値が上昇すれば、それを担保により金利の低いローンに借り換えることも可能です。

この仕組みでアメリカで不動産投資が活発に行われ、不動産バブルを巨大化させてきました。

この住宅ローンが投資銀行に持ち込まれて小口債券化して、MBS(モーゲージ証券)という金融商品になります。

MBSの段階であれば、住宅ローンを担保とした証券というシンプルな構造なのですが、ここから更に他の証券と組み合わせて再証券化が行われ、CDO(債務担保証券)という複雑な構造を持つ担保証券になります。

CDOは、MBS・社債・ローン・ABSなど市場から様々な証券を購入し、それらをごちゃ混ぜに組み合わせて小口債券化します。

そして、小口債権化したものを評価し直してリスクに応じて分類した上で、分類した小口債権をまた束ねて証券化したものを政府系のファンドやヘッジ系ファンドへ販売されます。

ここからまたCDOマネージャー間でも再証券化され・・・まったくわけのわからない複雑な担保証券に変化していきます。

最終的に、投資家、ヘッジファンドなどが購入したのは、このようにぐちゃぐちゃに組み合わされた再証券化が行われた結果

元のサブプライムローン部分がどこに含まれているのか、分からないほどに複雑な構造を持つに至った金融商品に変化しました。

サブプライムローンの総額と言われているのは約150兆円。返済が困難と認識されているローン残高は、15兆円程度と言われています。

米ブッシュ大統領が発表した減税による景気対策や、米連邦準備理事会(FRB)が最大2000億ドル(約20兆円)の資金を市場に供給するとともに、欧州中央銀行(ECB)とスイス中央銀行へのドル資金融通枠を拡大する。

主要中銀が資金供給で協調行動をとると表明しましたが極めて効果が薄いと思います。

何故なら、問題なのは、金融機関を含めた仕組みそのものであって、一般消費者はまったく関係がないからなんです。

金融の仕組みを早急にしかも簡素化にしないと、サブプライムローンのように、わけのわからない債権が世界中を飛び交っていくのを止められないということを認めないといけませんね。

2008年世界大恐慌の扉が開けられたのかもしれません。


債権:
借金など借りた側に対して請求できる権利のこと。財産権の1つである。

MBS(モーゲージ証券):
住宅を購入する際に利用する住宅ローン(モーゲージ)を担保として発行された債券です。

CDO(債務担保証券):
金銭債権で構成される資産を担保として発行される証券(資産担保証券、ABS)であり、証券化における商品の一つです。

ABS(資産担保証券):
企業が保有する資産を裏付けにして発行されます。
企業が保有する債権や不動産などの資産を企業から分離し、
その資産から生じるキャッシュフローを原資として発行される証券です。
資産担保証券を発行するには、複雑な手続きが必要です。
まず、資産を企業から分離するために、特別目的会社(SPC)を設立します。
企業は、資産をそのSPCに譲渡します。

社債:
会社が資金調達を目的として、投資家からの金銭の払込みと引き替えに発行(起債)する債券である。狭義には、会社法の規定するものをいう。基本的には資本である株式と異なり、発行企業から見ると負債(借り入れ、借金)となる。


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