米英金融革命の終わり

6月10日、イギリス最大の銀行であるHSBC(香港上海銀行)の会長で、
英銀行協会の会長も務めるスティーブン・グリーンが、
銀行協会の年次総会での講演の中で、以下のように述べました。


「(米英の銀行が)この5年間展開してきた、レバレッジを拡大すればするほど
儲かる金融ビジネスのモデルは、破綻した。
バブル崩壊という循環的な変化ではなく、ビジネスモデル自体の破綻である」

「今後は、以前のような利益率の高い時代は終わる」「銀行は(レバレッジの拡大ではなく)顧客との信頼関係や、運用の効率化、急成長しそうな市場への参入といった(昔ながらの)
基本的な経営姿勢に戻る必要がある」


 アメリカ(ニューヨークの投資銀行)と並んで国際金融界の中心に位置する
イギリスの銀行協会の会長が、レバレッジの急拡大で儲ける経営モデルが破綻し、
伝統的な経営モデルに戻らざるを得なくなった、と宣言したことは、衝撃的である。

HSBCグループは時価総額で世界3位の金融グループで、
83カ国・地域に約1万の拠点があります。
日本では江戸時代の1866年に最初の支店を横浜に開設・・・
実は最も古い外資系金融機関なんです。(明治維新にも関与しています)


 銀行の伝統的な経営モデルとは、市民から銀行に預金してもらい、
その集めた金を投資運用して利益を出すやり方だ。

これに対し、レバレッジを使った銀行経営モデルは、
ローンや債券、手形(CP)発行などによって投資家から調達した資金を運用する。

 米英では、1980年代の金融自由化以来、
アメリカの投資銀行(証券会社)によってレバレッジを使った投資モデルが強化され、
伝統的な銀行モデルよりも儲かるので
米英の金融界の中心はこのモデルへと移行し、スイスなど欧州大陸の金融界も、
このモデルを積極採用した。

1999年にはアメリカで投資銀行と商業銀行の区別が廃止され、
アメリカの商業銀行も、それまで規制されていたレバレッジ型の投資を急拡大しました。

 英銀行協会長は6月10日の講演で、
英米覇権体制の根幹に触れる、以下のような発言もしている。

「今後の世界経済では、金融危機の被害に遭っていない(中国やインドなどの)
新興市場が最も発展する」「最大の発展地は中国である」
「これからは、アジアや中近東で地元の資本調達市場が急発展しそうだ。

(その一方で米英は金融破綻なので)今後は、
国際金融センターとしてのロンドンの地位は低下するだろう。
ロンドン金融界が生き残るには、税制などの面で新たな進化が必要だ」

 イギリス経済は1960−70年代にいったん破綻していたが、
1980年代半ばからの米英金融革命(金融自由化)で
ロンドンが国際金融センターとして復活したことで蘇生した。

英経済は、今年まで14年間ノンストップの成長を記録し、不況知らずだった。

アメリカの大資本家(多極主義者)たちが1980年代に金融革命を始めた際、
イギリスを誘って共同の発展構想にしたが、
その理由は「冷戦」を終わらせるためだった。

ソ連や中国を封じ込める冷戦構造の維持は、
イギリスがアメリカの軍産複合体に入れ知恵することで成り立っていた。
イギリスが反対している限り、冷戦体制は終わりそうもなかった。

金融革命によって、米英金融界が資金調達して中国やロシアの経済発展に
投資して儲ける仕掛けができ、イギリスは冷戦の終結に反対しなくなった。

「中国や中近東が発展し、独自の金融センターを持つ。
ロンドンの金融的な地位は下がる」という英銀行協会長の発言は、
今後は米英中心の覇権体制が解体し、
世界の多極化が進むという流れを意味しうる点で、意味深長です。

今の世界は、米英中心体制が崩壊した後の世界体制が、
影の内閣のように隠然と準備されている状況です。

そして、英銀行協会長が発したレバレッジ型金融の終焉宣言を信じるなら、
米英に世界最強の経済力を与えていたレバレッジ型の金融システムは、昨年から崩壊期に入っている。

いよいよ世界体制の多極化が起きつつあります。(仕掛けてとも言いますね。)

(参考;田中 宇 米英金融革命の終わり)


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